卸売市場は、野菜・果実・魚類・肉類・花き等の生鮮食料品の卸売のために開設される市場。全国から生鮮品を集荷し、需給に応じた価格形成・分荷・代金決済・情報伝達を行う、生鮮流通の基幹インフラ。→ この機能の詳細は 中間流通。
中央卸売市場と地方卸売市場
| 中央卸売市場 | 地方卸売市場 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 大都市圏の中核拠点 | それ以外/小規模 |
| 開設の権限 | 従来は農水大臣の認可(2020年施行の改正で国の認定制・民間開設可) | 都道府県知事の認可 |
| 開設者 | 主に地方公共団体 | 自治体・民間・農協・漁協など多様 |
| 数(令和5年度末) | 64市場(39都市) | 909市場 |
| 取扱金額 | 3兆7,436億円(令和5年度) | 2兆9,768億円(令和5年度) |
出典: 農林水産省卸売市場データ集。青果部だけで見ると中央市場は50市場・取扱1兆8,968億円、卸売業者64・仲卸1,177・売買参加者9,057(令和5年度末)。
具体例: 豊洲市場・大田市場(東京都)、大阪市中央卸売市場本場 など。
登場する三者
市場内の取引には立場の異なる三者が関わる(→ それぞれ 卸売業者 / 仲卸 / 売買参加者)。
- 卸売業者(荷受) … 産地から集荷し、せり・相対で卸す許可制の会社。市場へ商品を「入れる」側。
- 仲卸(中間卸売業者) … 卸売業者から買い受け、小分け・調製して小売・飲食へ卸す許可制業者。
- 売買参加者(買参人) … 開設者の承認を受け、仲卸と同じ立場で卸売業者から直接買う小売・加工業者等。市場内で再販売業は営まない点で仲卸と異なる。さらに仲卸から買う小売・飲食を「買出人」と呼ぶ(取引参加資格なし)。
卸売市場法
昭和46年(1971年)法律第35号。卸売市場の整備促進・取引規制等を定め、生鮮食料品の取引適正化と流通円滑化を図る法律。2018年6月改正(2020年6月施行)で、中央卸売市場を認可制から国の認定制に改めて民間開設を可能にし、第三者販売・直荷引き等の取引規制を緩和した。条文(e-Gov)
市場を通さない流れ
近年は卸売市場を経由しない市場外流通(産直・直接契約)が増加。国産青果は今なお約8割が市場経由とされるが、加工品・輸入を含む全体では約5割強まで低下している(→ 市場外流通で年次・母集団を明記)。